俺の気持ちに気づけよ、バーカ!


「私、人と戦う競技は
 ダメダメだけど、
 反射神経だけは良いんだよ」

「そうかぁ?」
 
「この前だって、
 バイト先のカフェに来たお客さんが
 テーブルから落としたスプーンを、
 床に着く前にキャッチしたんだから」



スプーンキャッチのマネを
自信満々に披露する璃奈に

「なんだ、その特技。
 実生活で使えねぇ~~」

目を細め
あきれ声を浴びせた俺だけど


妹っぽく俺に突っかかる璃奈って、
俺に心を許してる感じで
可愛いすぎなんだよなぁ。

心の中は悶絶のひしめき合いで、
『かわいい』の連呼が止まらない。



落ち着け、俺。

璃奈好みの、
クールな俺様系を貫かねぇと。

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