俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
肩を弾ませながら
喜んでいる璃奈に、言えない。
ハズすぎて
嫉妬魔と思われたくなくて
絶対に言えない。
『どくろの刺繍が入った、
男物のマフラーだ。
男よけになるから、
24時間365日つけておけよ!』
な~んて、心の中の情けない俺が、
必死に手を合わせて
懇願しているってことはな。
「あっ、桜ちゃん。
時間大丈夫?」
あ~あ。
もう時間切れかよ。
もっと璃奈と話したかったのにさ。
夜に会えるからいいかと
自分に言い聞かせ
手に持っていた弁当を
璃奈に差し出す。