俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
「これ、璃奈の昼飯な」
「うわぁ、嬉しい。
いつもありがとう」
本当にこいつは。
嬉しい時の笑顔が、とろけすぎで、
可愛すぎだっつうの。
「作ったの、俺じゃねぇけど」
「雨璃さんの
お屋敷のコックさん達に、
お礼を言っておいてね」
「ああ」
「桜ちゃん、今日もうちに
泊まっていくでしょ?」
当たり前だろ。
オマエん家に泊まる口実を
作りたくて、
スポ少のコーチを、今も
土日両方とも、引き受けてるんだぜ。
ホントのことは、
璃奈に伏せたままだけど。
「今日も泊まってやるよ」
「ほんと?」
「亮と優が、布団の中で
サッカーの戦略教えろって、
うるせーからな」
「今夜のご飯は、
朝ごはんの後に作っちゃったよ。
もちろん桜ちゃんの分もね」
「サンキュ」
「どんな夕飯か
楽しみにしててね」