俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
うわっ!
お…お…俺が……
璃奈の部屋に入るのか?
本当に大丈夫か?
嫌われるのが怖くて
未だに、璃奈に
自分の想いを伝えられていないのに
『深夜に、璃奈の部屋で二人だけ』
そんなハニートラップみたいな
空間に閉じ込められたら、
璃奈に何しでかすか
わかんねぇぇぇ。
想定外な璃奈のおねだりに、
思考をシャットダウンさせられた俺は
YESともNOとも返事なんてできず
「サッカー……
行ってくるわ……」
長い前髪を手でワシャワシャ。
動揺で泳ぐ瞳を隠して
車に向かって走り出した。