俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
猛獣か!って程、吊り上がってしまう
俺の目じりだけど……
『俺の腹ン中
天邪鬼でも飼ってんの?』
『吐き出す言葉、違うだろうが!』
『璃奈の体が心配なんだよ的な
甘い言葉、出て来いよ!!』
心の中では
自分の愚かな口を呪う輩が
ウジャウジャ。
天邪鬼の俺は、自分でさえ
コントロール不可なんだよなぁ。
情けないけど。
「なに一人で、全部背負ってんだよ。
璃奈はもっと
人に頼るとかしろよな!」
「大丈夫だよ。家事なんて
さささ~って終わらせられるし」
大丈夫じゃないって。
バイトの後の家事に追われて
寝る時間が削られてるんだろ?
「おばあちゃんが
また入院しちゃったし。
亮くんと優くんには
サッカー選手になる夢を叶えて欲しいし。
私は私にできる精いっぱいのことを
するって決めてるんだ」