俺の気持ちに気づけよ、バーカ!



悪カッコいい。

大人カッコいい。

う~ん。

桜ちゃんの魅力を言葉にするのは
難しいけれど

スーパーに買い物に行くだけで
連絡先を交換してくださいって、
一目ぼれした女子たちに
囲まれちゃうの。

(桜ちゃんは、
 目も合わせずスルーするけど)


旦那様がいる
サッカーのママたちでさえ

『滅多に笑わないあの塩対応が、
 クールでたまんないよね』って

ピンク声をあげていたり
するんだよね。



私の貧相な味覚では
もったいなさ過ぎるほど
お高いミカン。

こたつの中で頬張りながら
私は思い出していた。

桜ちゃん沼に完全にはまってしまった
あの日のことを。







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