騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
「もうっ……くすぐったいっ……ちょっと待って。着替えるから」

 私がなんとか彼の腕の中から逃れようと体を捻ろうとすると、シャーロックは私の向きをひっくり返して薄く笑った。目の奥を覗き込むように寄せられ間近にある、灰色の瞳。

「ねえ。エレノア……ちょっとだけ、しよ?」

 彼がこう甘えるように言って「ちょっとだけ」で終わったことなどは、これまで一回もなかった。私が胡乱げな視線を向けても、完全に勝ちを確信しているシャーロックは背中の釦が外れて、かっちりとしたドレス用の下着から溢れた胸をゆっくり揉み始めた。

 こうなっては、仕方ない。もう、どうしようもない。というか、計算上手なあざとい彼の傍に居たいと望んだのは他でもない私のはずだけど。

「本当に、ちょっとだけだよ……」

 顔を赤くしてそう言えば、シャーロックは満面の笑顔で頷いた。

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