騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 もう私が声も出せないくらいになってから、どろどろになってしまった入り口に、彼のものはゆっくりと奥まで挿り込んできた。

 早くと言ってしまいそうなほどに、じれったいくらいの速度で奥まで到達して、はあっと色っぽいため息をついた彼を見て私はなんだか笑ってしまった。

「……何? 何か面白いことでも、思い出した?」

 不思議そうにしているシャーロックは、どんな時も私を否定しない。それって簡単なことのようで、実はとても難しい。

 人が二人居れば、もちろん相手は自分ではないので違う考えを持って生きている。互いの意志を尊重し合うことは、自分の意志を曲げることでもある。それを彼はこともなげに「エレノアのためなら」としてしまう。

 こんな事を言うのはなんだか照れてしまうけれど、すべては私に向けられた際限のない愛しさゆえのこと。それに甘えて、嫌われたくなんかはしたくない。そういう意味では、ここまで甘やかしてくれる恋人と付き合うって難しいのかもしれない。

「うん。シャーロックと初めてした時のこと……思い出しちゃった……ごめん」

 ふと思い出してしまったあの時の事は、私と彼のただ二人しか知らない秘め事。けれど、そうだとしてもシャーロックは恥ずかしかったのかもしれない。

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