騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
「あーっ……流石に、今は快感に多少は慣れたから……あんなことはないよ……」

 何でも器用にこなす彼には珍しい、決まり悪い表情だ。確かにあの時は慣れていない初めて同士だったし、もうその先にある激しい快感を何度も経験してしていればもうあんなことはないだろう。

 だけど、私にとっては宝物となる格別な思い出だった。初めてのシャーロックを知っているのは、私しかいない。これからの彼も、きっとずっと。

「シャーロック……愛してる。貴方と出会えて良かった」

 片方の目尻から、涙が溢れた。別れる間際まで行ってしまったけれど。私たち二人は、これからもずーっとずーっと幸せに暮らすんだと思う。

 でも、幸せとはただなんとなくやってくるものではなくて、二人で努力して勝ち取るもの。

 彼のものは私の奥の方まで届いていて、やっと私はこんな時に話すことではなかったかなと気がついた。決まり悪く謝ろうと思い、もう一度彼を見上げると、シャーロックは汗の滲んだ顔で優しく笑う。

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