騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 声を掛けることを忘れて立ち尽くしてしまった私に、シャーロックはすぐに気がついたようだ。

「……何してるの?」

 彼はこちらにゆっくりと歩み寄ってくれて、仕事場に来る用の荷物を持った。

「ごめん。なんか、シャーロックが私を待ってるのが嬉しくて」

 ただそれだけの事で感動した様子になってしまった私を、シャーロックはちょっと呆れた様子で肩を竦めた。

「いい加減、慣れて。俺のことが好きなのは、よくよくわかっているから」

 それはもう仕方ない。私はずっとずっと出会った時から、彼のことだけ考えてきたと言っても過言ではない。誤解などもなく正しく伝わっているようで、それは何より。

「騎士団長になったら……きっともっと、好きになっちゃう。これ以上好きになったらどうなっちゃうのかな……」

 真面目な顔をして言った私に、彼は苦笑している。

「そうしたら……また褒めてくれる?」

「いくらでも」

 その灰色の瞳を見ればわかるほどに、私を愛している私が大好きな騎士様。

 愛を語っても何をしても、いちいち胸をときめかさないと気がすまないし、顔も表情も言葉選びも何もかも、私好みでもう絶対に離れられない。


Fin
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