騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 夜勤から帰ったばかりで寝ていたイグナスとレオポルトの二人を叩き起し、ブレアの父親が経営する商会の弱みを探り出した。確かに俺たちにはあまり時間はなかったのだが、俺たち三人程度でこんなに簡単に証拠を握れる悪事を繰り返していたのなら、何もしなかったとしても潰れるのは時間の問題だったのかもしれない。

 こういう商会の不正を監視する事を生業としている顔見知りの文官などは、一年のうちに不正を発見する件数の割り当てがあるので、俺が用意した喜んで受け取ってくれた。不正の件数を割り当てるってことは、それだけこういった不正が多いことと一緒なんだろう。脱税もしようと思えば、簡単だ。ただ、もし俺がそうした悪事を働こうと思ったら、証拠となる裏帳簿なんかは絶対残さないけどね。

 近いうちに、ランプリング商会には厳しい処分は下るだろう。イルドギァ現王は交易のある諸外国へと示す姿勢の為もあり、こういった商業上の不正には厳格だ。可哀想だが、自業自得だ。悪事はいずれ暴かれる。

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