騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 早朝訪ねたブレアは、俺の顔を見て顔面蒼白になっていた。別に鏡で確認したことはないが、怒ると落差が酷いと言われることもあるので、この女もすぐに理解したはずだ。

 俺が心が煮え滾るほどに、激怒していることは。

 ブレアは今日予定されているクソみたいな結婚式に参列するためか、正装を着ていたようだった。俺のエレノアと、こいつの用意したよくわからない男との結婚式に。

 怯えた表情をして訪問の理由を訪ねる女はかつて幼い頃からよく知る異性だったものだが、俺の中では既に人の形をしたゴミだ。そこら辺に投げ捨てられていても、特に何とも思わないだろう。

 エレノアに害意を持った瞬間から、俺の中では何の存在価値もない人間に成り果てた。

 特に理由なども説明しなくても、わかっているだろう。これだけの悪巧みを、考えついたのなら、俺はさっきしてきた事もわかっているだろう。むしろここまで非道な事をしてバレないと思っていたのなら、片腹痛い。

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