騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 銀狼騎士団の次代騎士団長と、目される男が甘いだけの人間な訳ないだろ。曲者揃いの騎士団全体を纏めあげる団長になるなら、何かを切り捨てることもある。

 エレノアに男が出来た途端に、下心見え見えの出張に誘った上司の処理は出張先からこの国に帰って来て早々にした。もし、彼女に対し何かよからぬことを企てれば、全てを失うように仕掛けを施した。余程のバカではなければ、俺のわかりやすい言葉に逆らうことはしないだろう。

 誰がどんな事をして来ようが、俺はどんな手を使ってでもエレノアを絶対に手放したりしないけど。

 彼女への想いを誰かに語るとすれば、俺は普通の恋する男とは言えないのかもしれない。中には、犯罪者のように見る人も居るだろう。

 だが、道行くすべての人に正しさを求める人が居たとして、何らかの理由で心の中を押し測ることが出来たとする。そうしたら、すぐに自分の中にある希望を投げ捨てるだろう。そもそも自分に都合の良い正しさしか人は、信じない。信じようとしない。

 正しさの基準など人それぞれで曖昧で、それは自分で選ぶものだ。

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