私は今日も、虚構（キミ）に叶わぬ恋をする。

「……で、最後にバンっと決め台詞っ！
本当、すっごくかっこよかったんだから！」

「へー。ちょっと内容飛んじゃうけど、俺も読んでみようかな、今週のダイヴ」

「読んで欲しいのは山々だけど、順番にちゃんと読んでいった方がいいかも……。
話が掴めないと、せっかく読んでも訳わからなくなっちゃうだろうし」

「そうだね。でも気になるなー」

「真昼ちゃんから、ダイヴのバックナンバー借りるのはどう？
そうすれば、最新話の内容に追いつけるんじゃないかな？」

「あー……実は真昼、ダイヴは電子書籍で読んでるんだよな。
俺に見られたくないものでもあるのか、絶対にスマホ見せてくれないから、それは難しいな」

「そっか……。
私は紙の雑誌で買ってるんだけど、最近バックナンバーをほぼ全部廃品回収に出しちゃって、ごく最近のやつしか残ってないの。
タイミング悪かったなぁ」

「じゃあ、仕方ないな。気長にコミックスになるのを待とうかな」

「うん！　コミックスでまとめて読むのも、また違った驚きがあると思うよ！」


私が力強くそう言うと、優星くんは『楽しみにしてるよ』と笑った。