私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
私と優星くんは電車で、セイレニアの最寄駅である美河駅まで移動することにした。
「電車で1時間か。美河って、同じ県内なのに、名古屋から結構遠いんだね」
「うん。実は私も、行くのは今日が初めてなんだ」
「そうなんだ。友達や家族と遊びに行ったりしたことないの?」
「意外とないんだよね……。友達と遊ぶなら大体名古屋で済ませちゃうし。
家族旅行だと、逆に遠出して他の県に行っちゃうから」
「あぁ……確かに。県内の遊園地って、『いつでも行ける』って思っちゃって、行くタイミング逃すよね。
俺も千葉にいたからわかる」
「え!? 優星くん、こっちに来る前は千葉県に住んでたの?」
「うん。転校して初日の自己紹介では言ったけど……。
そういえば、深月、あの日早退したもんな。
体調悪かったの?」
「ま、まあね……」
わたしは引き攣った笑顔で誤魔化した。
『烈華様そっくりな優星くんを見て頭がおかしくなった』なんて、口が裂けても言えない。
そんな風に電車内で立ち話をしていると、女の子連れのひそひそ声が聞こえて来た。
「ねぇ、あの人、背が高くてめっちゃかっこよくない?!」
「見惚れちゃうよね!
隣の女の子も可愛い。あんなイケメンと並んでも見劣りしないもん」
「お似合いだよね〜、美男美女カップル。
はー、うらやま」
(……カップルって、まさか私と優星くんのこと!?)
ていうか、『エレアル』に夢中で全く意識してなかったけど。
よく考えたら2人で遊園地って、完全にデートだよね!?
「…………」
優星くんも、女の子連れの会話が聞こえているのか、気まずそうに目配せをする。
うぅ……男の子と2人で出かけるなんて、そういえば初めてだよ。
それになんて言ったって、相手は優星くん。烈華様にそっくりな超絶イケメン。
今更ながら私は緊張してきてしまって、2人揃って黙り込む羽目になった。
「電車で1時間か。美河って、同じ県内なのに、名古屋から結構遠いんだね」
「うん。実は私も、行くのは今日が初めてなんだ」
「そうなんだ。友達や家族と遊びに行ったりしたことないの?」
「意外とないんだよね……。友達と遊ぶなら大体名古屋で済ませちゃうし。
家族旅行だと、逆に遠出して他の県に行っちゃうから」
「あぁ……確かに。県内の遊園地って、『いつでも行ける』って思っちゃって、行くタイミング逃すよね。
俺も千葉にいたからわかる」
「え!? 優星くん、こっちに来る前は千葉県に住んでたの?」
「うん。転校して初日の自己紹介では言ったけど……。
そういえば、深月、あの日早退したもんな。
体調悪かったの?」
「ま、まあね……」
わたしは引き攣った笑顔で誤魔化した。
『烈華様そっくりな優星くんを見て頭がおかしくなった』なんて、口が裂けても言えない。
そんな風に電車内で立ち話をしていると、女の子連れのひそひそ声が聞こえて来た。
「ねぇ、あの人、背が高くてめっちゃかっこよくない?!」
「見惚れちゃうよね!
隣の女の子も可愛い。あんなイケメンと並んでも見劣りしないもん」
「お似合いだよね〜、美男美女カップル。
はー、うらやま」
(……カップルって、まさか私と優星くんのこと!?)
ていうか、『エレアル』に夢中で全く意識してなかったけど。
よく考えたら2人で遊園地って、完全にデートだよね!?
「…………」
優星くんも、女の子連れの会話が聞こえているのか、気まずそうに目配せをする。
うぅ……男の子と2人で出かけるなんて、そういえば初めてだよ。
それになんて言ったって、相手は優星くん。烈華様にそっくりな超絶イケメン。
今更ながら私は緊張してきてしまって、2人揃って黙り込む羽目になった。