私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
どうして、宝城先輩が知ってるの!?
固まる私の横で、陽菜はピンと来てないようだ。
「何ですか、このサイト……『エターナルガーデン』?」
「この子、《ヤミノツキ》って名前で、ネット上でキモい妄想小説書いてるの」
「妄想小説? ネットで? 深月が?」
「そ。それもただの小説じゃなくて、漫画のキャラとイチャイチャするイタい小説」
周りの先輩たちも、口々に嘲笑する。
「文字多すぎてまじめに読んでられなかったけどさぁ、『愛してる……』とか言わせてんの。キャラに。マジきもい」
「あんなのよく平気で公開できるよねぇ」
「調べたら5年前から延々と更新続けてんの。怖ぁい」
「優星くん、知ってるのかなぁ。彼女がキモいオタクなんてかわいそう〜」
(────もうやめて!)
とても聞いていられなくて、私は耳を塞いだ。
それが、自分が《ヤミノツキ》だと認めてしまう行為だと知りつつも、そうせずにはいられなかった。
でも、宝城先輩の高い声が、掌をすり抜けて耳に入ってくる。
「ほんと有り得ない。
こんな子が、優星くんと付き合ってるなんて。
その上、優星くんだけじゃなく……」
「────先輩たち、誰かと勘違いしてませんか?」
私の前に立った陽菜が、眉を顰めて怒った。
固まる私の横で、陽菜はピンと来てないようだ。
「何ですか、このサイト……『エターナルガーデン』?」
「この子、《ヤミノツキ》って名前で、ネット上でキモい妄想小説書いてるの」
「妄想小説? ネットで? 深月が?」
「そ。それもただの小説じゃなくて、漫画のキャラとイチャイチャするイタい小説」
周りの先輩たちも、口々に嘲笑する。
「文字多すぎてまじめに読んでられなかったけどさぁ、『愛してる……』とか言わせてんの。キャラに。マジきもい」
「あんなのよく平気で公開できるよねぇ」
「調べたら5年前から延々と更新続けてんの。怖ぁい」
「優星くん、知ってるのかなぁ。彼女がキモいオタクなんてかわいそう〜」
(────もうやめて!)
とても聞いていられなくて、私は耳を塞いだ。
それが、自分が《ヤミノツキ》だと認めてしまう行為だと知りつつも、そうせずにはいられなかった。
でも、宝城先輩の高い声が、掌をすり抜けて耳に入ってくる。
「ほんと有り得ない。
こんな子が、優星くんと付き合ってるなんて。
その上、優星くんだけじゃなく……」
「────先輩たち、誰かと勘違いしてませんか?」
私の前に立った陽菜が、眉を顰めて怒った。