私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
「気になったけど、自分で入るのは嫌だったから、一緒にいた後輩たちに探らせたのよ。
『光峰の様子を見て来て』って、お願いした
もちろん、カフェ代は出したわよ?
カフェの後、見返りに知り合いのカラオケ店を無料で使わせてあげたし。
あの子達も漫画やアニメは興味ないから、かなり戸惑ったみたいよ。
『周りはアニメの絵だらけだし、延々と変なアニメソングが流れてて怖かった……』って2人で愚痴ってたわ」
私は思い出した。
あのとき、私と真昼ちゃんの隣の席に座った、キャラの名前も知らない女の子二人組。
彼女たちは、宝城先輩の命令で、私を探りにきていたんだ。
「で、その後輩たちによると、光峰はオタクっぽい話をずっとしてたらしいわ。
『エレアル』って漫画の、焔烈華っていうキャラについて、熱く語っていたって。
それに、漫画のキャラが登場する小説を書いてるっていう話もしていたって。
相手の女の子が言ってたっていう、小説のタイトル────《焔は消えず、されど縁は灰となり》だったかしら。
そのタイトルで検索かけてみたら、このサイトが引っかかったってわけ。
小説の作者は《ヤミノツキ》……《深月》のもじりになってるし、内容は『エレアル』の焔烈華の小説だし、確定でしょ」
宝城先輩は勝ち誇ったように、スマホを振った。
「優星くんが知ったら、どう思うでしょうね? これ」
『光峰の様子を見て来て』って、お願いした
もちろん、カフェ代は出したわよ?
カフェの後、見返りに知り合いのカラオケ店を無料で使わせてあげたし。
あの子達も漫画やアニメは興味ないから、かなり戸惑ったみたいよ。
『周りはアニメの絵だらけだし、延々と変なアニメソングが流れてて怖かった……』って2人で愚痴ってたわ」
私は思い出した。
あのとき、私と真昼ちゃんの隣の席に座った、キャラの名前も知らない女の子二人組。
彼女たちは、宝城先輩の命令で、私を探りにきていたんだ。
「で、その後輩たちによると、光峰はオタクっぽい話をずっとしてたらしいわ。
『エレアル』って漫画の、焔烈華っていうキャラについて、熱く語っていたって。
それに、漫画のキャラが登場する小説を書いてるっていう話もしていたって。
相手の女の子が言ってたっていう、小説のタイトル────《焔は消えず、されど縁は灰となり》だったかしら。
そのタイトルで検索かけてみたら、このサイトが引っかかったってわけ。
小説の作者は《ヤミノツキ》……《深月》のもじりになってるし、内容は『エレアル』の焔烈華の小説だし、確定でしょ」
宝城先輩は勝ち誇ったように、スマホを振った。
「優星くんが知ったら、どう思うでしょうね? これ」