私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
「……光峰(みつみね)さん?」


なんとびっくり。

久我山くんは、転校初日早々にクラスから離脱した私の顔と名前を、きちんと記憶していた。

その綺麗なお顔は引き攣っている。
戸惑いの表情。
もっとはっきり言うと、ドン引きって感じの表情だ。


「え? お兄ちゃん、ヤミノツキさんと知り合いなの?」


まひるんさんの悪気ない言葉が追い討ちをかける?


「え? だって、ヤミノツキって、お前がよく読んでるあの小説を書いてる……、え?
まさか、ヤミノツキって、光峰さん!?」

「……はい」


私は身体中から血の気がガンガン引いていくのを感じながら、青ざめた顔で頷いた。


────そんないきさつで、私は人生終了のお知らせをいただいてしまいました。
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