私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
中1の頃の私は、今の2倍近い体重があり、成長期のホルモンの問題からか肌荒れも酷かった。

運動は当然できなくて、頭だってそんなに良くはなくて、他に目立つ特技も無かった私と仲良くしてくれる子はおらず。

いじめられこそしなかったものの、教室にいてもいなくてもよい、空気みたいな存在だった。

そんな私にとって、好きな漫画がたくさん載っている週刊少年ダイヴは、唯一の楽しみだった。


ダイヴを読んでいる間だけは、私の心は、それぞれの作品が作り上げている別世界に行けた。

たくさん笑えて、泣けて、感動できた。

でも。

その時だけは楽しいけれど、終わってしまえば、私はまた、現実の冴えない自分と向かい合わなければいけない。


漫画のような、華やかでワクワクに溢れた世界には、一生行けない。

私みたいな奴が、漫画の中のキャラたちのような、ドラマチックで愛と希望に満ちた人生を生きることなんて、絶対に無理。


(……じゃあ、私の人生って、なんのためにあるのかな?)


部屋のベッドの上で膝を抱えながら、そう考えた回数は、数え切れない。


《彼》────烈華様に出会ったのは、そんな時だった。
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