私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
くじを引き終わった後、久我山くんとともに店の奥に移動した私は、土下座せんばかりの勢いで彼に頼み込んだ。


「久我山くんお願い!! お金出すから私の代わりに引いてください!!」

「えぇ!?」

「今日はダメなの……流れが、流れが全然きてないの……」


3回引いて、現在の戦果はH賞(ラバーストラップ)1個、I賞(缶バッジ)2個。

しかも、ラバーストラップと缶バッジはそれぞれ8人のキャラがランダムで出るのだけど、烈華様が全く出ないという運の悪さ。


「このまま帰るのは悔しいけど、これ以上自分で引いても、目当てのものを引ける気が全然しないの!
お願いします! 私の代わりにB賞を当てて!」

「そんな責任重大な……! 俺、特別運がいいわけでも無いし」

「何が出ても絶対文句言わないし、恨まないから!

たった今思い出しちゃったんだけど、そういえば私朝の占い最下位だったんだよ!
なんで思い出しちゃったんだろう!?
ますます当たる気がしない!」

「み、光峰さん、占いとか信じるの?」

「普段はそんなに気にしてないけど、このタイミングで思い出しちゃったら、気にせずにはいられないよ〜!
確かコメントも、『ツキに見放されている1日です』って感じだったし!

お願い! 助けて久我山くん!」

「わ、わかった! わかったから!」


私はなんとか久我山くんを説得して、追加で3回分引いてもらうことにした。

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