愛と狂気の真ん中で
次の日,俺はバケツの水に顔を突っ込まれていた。

もちろん死ぬほど苦しいが,花は俺を殺さないと分かってるから,暴れたりもせずに必死に耐える。

-プハッ



「はぁ,はぁ…グッ……ケホッ,ケハッ……はぁ」



タイムラグが長い。

多分前半は終わったのだろう。

普段から花が俺をみる目には愛がある。

でも行為中はそれがもっと深くなる。

……ような気がする。

俺はそれを,今日も目をみて確認した。



「……はな」

「っ? どうしたの? 椿」



いつもなら,終わるまで声を出さないから,花は驚いた様だった。

俺は更にじっとみる。



「ふっ,はぁ……好きだ」



花は目を丸くする。

そしてパッと顔を輝かせると,俺に近づいてきた。
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