おそかれはやかれ。
「以上!一年生156名。生徒代表中島結前へ」
「はい!」

体操服の生徒代表にくすくすと笑い声が聞こえる。
学生生活は、そんな恥ずかしいスタートを切った。



入学式も終わり、俺はクラスで隣の席になった、前田陸と仲良くなった。
陸はがたいが結構よくてそれに結構イケメンで、既に女子の目を奪っていた。

「なぁ、結はさ入る部活決めてんの?」
「いやまだだよ。そもそも部活に入るかも考え中。」

陸はきっと陸上部とかサッカー部とかに入るんだろうな。
だからこんなに筋肉があるに違いない。
俺はそんなことを考えてた。しかし、全く違った。

「俺は、軽音にはいるよ!」
「えーー!以外だよ。」
「そう?」
「うん。結構筋肉とかあるから運動部かと思った。」
「あぁ、これは、ボーカルするために鍛えてるんだよ。俺、本気でボーカリストになりたいんだ。」

なるほど、確かに大きな声で歌ったりステージでパフォーマンスするためには筋力は必要なのかな…。

「結もついてきてくれよ。」
「俺は歌もましてや楽器もできないからなぁ。」

しかし、俺は少し軽音部に惹かれていた。
それは、音楽がしたいとかそんな理由じゃなかった。


もう一度あの金髪の先輩に会いたい。
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