優しくない同期の甘いささやき
彼の想いは予想以上に強かった。こんなにも自分を好きでいてくれるなんて、心が締め付けられる。

その想いに応えたい。


「信じていいの? 熊野の気持ち」

「もちろん。美緒がどんなふうになろうと、俺の気持ちは変わらない。絶対に変わらないでいてやる」


偉そうに宣言されて、フッと笑い声が漏れた。

でも、信じられる。


「自信たっぷりだね」

「まあな。だから、早く抱かせろよ」

「ちょっとー、一応感動していたのに、なんてことを言うのよ。それに食事中に言うことじゃないでしょ!」

「俺たちしかいないんだから、何を言おうといいだろ? ずっと我慢させられてるんだから、言わせろよ」


本当に偉そうな態度だ。

ちょっとムカつくけど、嫌いではない。私は頬杖をついて、息を吐いた。


「とりあえず、食べようよ」

「そうだな」


食事を終えてから、私は食器を洗った。熊野は、洗濯機を回す。休みの日にまとめて、洗濯しているらしい。

それから、掃除もするというから私も手伝った。

一人暮らしは休日にやることがあって、大変そうだ。もう慣れたから、大したことではないと言われた。
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