優しくない同期の甘いささやき
「ねえ、美緒」
彼は私の髪を撫でながら、優しいまなざしで見つめる。
「なあに?」と答える私の顔は緩んでいるだろう。
「いつになったら、名前で呼んでくれるの? 俺の名前、知ってるよね?」
「えっ? 知ってるけど」
私は目を泳がせた。自分でも彼氏に対して『熊野』呼びはおかしいかもと思っていた。
だが、すんなり『祥太郎』呼びができない。熊野はさらりと私の名前を口にしたけれど、さらりとできない。
照れてしまう……。
彼と視線を合わせて、すぐ逸らす。
無理だ、言えない。
「ねえ、美緒ー」
焦れた声で呼ばれた。視線を彼の腹部あたりに向けていた私は、硬直していた。
名前を呼ぶのが、こんなにも難しいなんて……。
「美緒ー、こっち向いて」
「ごめん……」
「なんで、謝る?」
「だって、言えないから」
彼の手は私の両頬を挟んだ。
そして、強引に上を向かされる。
「言えよ」
「えー」
「言うまで、何度もキスするからな」
そう言って、彼は深い口づけをした。本当に深くて、息をするタイミングがない。
彼は私の髪を撫でながら、優しいまなざしで見つめる。
「なあに?」と答える私の顔は緩んでいるだろう。
「いつになったら、名前で呼んでくれるの? 俺の名前、知ってるよね?」
「えっ? 知ってるけど」
私は目を泳がせた。自分でも彼氏に対して『熊野』呼びはおかしいかもと思っていた。
だが、すんなり『祥太郎』呼びができない。熊野はさらりと私の名前を口にしたけれど、さらりとできない。
照れてしまう……。
彼と視線を合わせて、すぐ逸らす。
無理だ、言えない。
「ねえ、美緒ー」
焦れた声で呼ばれた。視線を彼の腹部あたりに向けていた私は、硬直していた。
名前を呼ぶのが、こんなにも難しいなんて……。
「美緒ー、こっち向いて」
「ごめん……」
「なんで、謝る?」
「だって、言えないから」
彼の手は私の両頬を挟んだ。
そして、強引に上を向かされる。
「言えよ」
「えー」
「言うまで、何度もキスするからな」
そう言って、彼は深い口づけをした。本当に深くて、息をするタイミングがない。