優しくない同期の甘いささやき
囁いて
姉から話があると呼ばれて、仕事帰りにレストランで待ち合わせた。
姉は最近、商社に再就職した。それをきっかけに実家を出ようとしたが、父に引きとめられた。
私が家を出て一か月半しか経っていなかったから、姉までいなくなるのは寂しいという理由からだった。
でも、父がとめた理由は他にもあった。まだ離婚した傷が癒えてないから、心配したのだった。
母がこっそり教えてくれた。姉は父の気持ちをうれしく思い、実家に留まっている。
とある商業施設ビルの3階まで上がり、レストランの入口に向かう。私の隣には祥太郎がいた。
姉から熊野くんも連れてきてと言われたからだ。
待ち合わせ時間よりも早くに到着したので、姉はまだ来ていなかった。予約していることをスタッフに伝えると、先に案内してくれた。
「俺と美緒が並んで座るんで、いいんだよな?」
「そうね、お姉ちゃんがひとりで……あれ? 四人分あるね?」
白いテーブルクロスがかけられた上には四人分のカトラリーがセットされていた。
祥太郎と不思議に思いつつも、並んで座った。
姉は最近、商社に再就職した。それをきっかけに実家を出ようとしたが、父に引きとめられた。
私が家を出て一か月半しか経っていなかったから、姉までいなくなるのは寂しいという理由からだった。
でも、父がとめた理由は他にもあった。まだ離婚した傷が癒えてないから、心配したのだった。
母がこっそり教えてくれた。姉は父の気持ちをうれしく思い、実家に留まっている。
とある商業施設ビルの3階まで上がり、レストランの入口に向かう。私の隣には祥太郎がいた。
姉から熊野くんも連れてきてと言われたからだ。
待ち合わせ時間よりも早くに到着したので、姉はまだ来ていなかった。予約していることをスタッフに伝えると、先に案内してくれた。
「俺と美緒が並んで座るんで、いいんだよな?」
「そうね、お姉ちゃんがひとりで……あれ? 四人分あるね?」
白いテーブルクロスがかけられた上には四人分のカトラリーがセットされていた。
祥太郎と不思議に思いつつも、並んで座った。