優しくない同期の甘いささやき
自惚れてはいないけれど、いつも私を見ているというのは嘘でもなく、からかって言ったのでもないと感じる。
「了解」と返して、熊野の顔をじっと見つめた。こんなふうに見るのは初めてだったかも。
熊野の瞳が揺れて、視線を窓の方へと向けた
「そんな目で見るなよ」
なぜか動揺しているみたいだ。
「そんな目って、どんな?」
「なんか興味があるような目」
「えっ?」
キョトンとすると熊野は腰を屈めて、より近くに来た。
「俺のこと、気になってる?」
周囲に聞こえないくらいの声で訊いてきた熊野は、片側の口角をあげた。
ちょっと意地悪そうな表情はいつもの熊野はらしい。
しかし、問われた内容はいつもと違った。
こんなふうに訊かれたのは、初めてだ。
私は目を泳がせた。
「はっ? 気になっていないよ、熊野のことなんか……」
「昨日くらいから、めっちゃ視線を感じるんだけど」
こっそり見ていたつもりだったのに、気付かれていた。
「だって……」
口ごもると、「だって、なに?」と訊いてくる。
「了解」と返して、熊野の顔をじっと見つめた。こんなふうに見るのは初めてだったかも。
熊野の瞳が揺れて、視線を窓の方へと向けた
「そんな目で見るなよ」
なぜか動揺しているみたいだ。
「そんな目って、どんな?」
「なんか興味があるような目」
「えっ?」
キョトンとすると熊野は腰を屈めて、より近くに来た。
「俺のこと、気になってる?」
周囲に聞こえないくらいの声で訊いてきた熊野は、片側の口角をあげた。
ちょっと意地悪そうな表情はいつもの熊野はらしい。
しかし、問われた内容はいつもと違った。
こんなふうに訊かれたのは、初めてだ。
私は目を泳がせた。
「はっ? 気になっていないよ、熊野のことなんか……」
「昨日くらいから、めっちゃ視線を感じるんだけど」
こっそり見ていたつもりだったのに、気付かれていた。
「だって……」
口ごもると、「だって、なに?」と訊いてくる。