優しくない同期の甘いささやき
「美緒ちゃーん」
知奈に呼ばれて、熊野から送られてきたデザインに目を通していた私は、顔を横に動かした。
ニコニコ顔の知奈を見て、嫌な予感がした。こういう顔の知奈は、なにか頼み事があるのだ。
「 なに?」
「 いま、彼氏いないよね?」
「うん」
知っていることをわざわざ確認する意味は……。
「私の彼氏の先輩が誰か紹介して欲しいんだって。美緒ちゃんを紹介してもいい?」
やはり……そんなことだろうと思った。
彼氏もいなければ、好きな人もいない。断る理由がない。
でも……首を縦に振れない。
どうしようかなと考える私に、知奈はスマホの画面を見せてきた。
そこには、ふたりの男性が写っていた。ひとりは見たことのある顔で、知奈の彼氏だとすぐに分かった。
知奈はその隣にいる人を指さす。
「この人がお相手よ。良さそうな人でしょ?」
知奈の彼氏の先輩で恋人募集中だという説明もされた。だが、私は恋人募集していない。
「良さそうな人だね。でも、私は遠慮しておこうかな」
「ダメだよー」
「えっ、どうして?」
知奈に呼ばれて、熊野から送られてきたデザインに目を通していた私は、顔を横に動かした。
ニコニコ顔の知奈を見て、嫌な予感がした。こういう顔の知奈は、なにか頼み事があるのだ。
「 なに?」
「 いま、彼氏いないよね?」
「うん」
知っていることをわざわざ確認する意味は……。
「私の彼氏の先輩が誰か紹介して欲しいんだって。美緒ちゃんを紹介してもいい?」
やはり……そんなことだろうと思った。
彼氏もいなければ、好きな人もいない。断る理由がない。
でも……首を縦に振れない。
どうしようかなと考える私に、知奈はスマホの画面を見せてきた。
そこには、ふたりの男性が写っていた。ひとりは見たことのある顔で、知奈の彼氏だとすぐに分かった。
知奈はその隣にいる人を指さす。
「この人がお相手よ。良さそうな人でしょ?」
知奈の彼氏の先輩で恋人募集中だという説明もされた。だが、私は恋人募集していない。
「良さそうな人だね。でも、私は遠慮しておこうかな」
「ダメだよー」
「えっ、どうして?」