優しくない同期の甘いささやき
「ほんと美緒ちゃんのこと、好きなんだから」


私は知奈の腕を軽く揺すった。


「ちょっと、知奈。何を言ってるのよ」

「何って、美緒ちゃんもさすがに熊野の気持ち、気づいたでしょ? どんなふうに攻められたのよ?」


知奈は楽しそうに口もとを緩めた。


「そんなのわかんないし、言わない。その、食事には行くよ。行くだけだからね」

「ありがとー」


知奈は私に抱きついてから、軽い足取りで出ていった。

やられた感じはあるが、今はいろいろと詮索されたくはない。

だから、食事には渋々了承した。

熊野も誘うかどうかは、知奈に任せておこう。


翌日、知奈からメッセージが届いた。日時は、今週の金曜日の18時半。場所はうちの会社の近くにある居酒屋。

気兼ねなく話のできる場所ということで、決めたらしい。

熊野も来るのかと尋ねてみたら、連絡していないから見つからないようにして行ってと、言われた。

知奈とは別々で行くことになった。
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