優しくない同期の甘いささやき
どうして返事に困ることばかり訊くのかな。
でも、私は好きと言っていない。好きでもないのに、キスしたのかと言われたら何も言い返せないけれど。
顔を俯かせていると、熊野の手が私の顎に伸びてきた。
クイッと上へと向かされて、熊野と視線を合わさる。
見透かすような目に怯えて、「なに?」と訊く声が上擦った。
「俺に抱かれたいと思うようになったら、言って」
私は「ええっ!」と目を見張った。
「そんなこと、言えない。言えるわけがない」
私の返事が不満らしく、熊野は顔をしかめた。
「確かに言いにくいか。んー、そうだな……何か合図でも」
「合図?」
「そう。抱かれたくなったら、手をあげるとか」
「そんなの、迂闊に手をあげられなくなる」
怖い、怖い。うっかり手をあげたら、抱くぞと言われるってことよね?
危険だ……。
「まあ、それは例えだ。もっと特別感がある方がいいな」
熊野は腕組みをして、考え込む。
私はどんな合図を要求されるのかと、ハラハラしながら待った。
でも、私は好きと言っていない。好きでもないのに、キスしたのかと言われたら何も言い返せないけれど。
顔を俯かせていると、熊野の手が私の顎に伸びてきた。
クイッと上へと向かされて、熊野と視線を合わさる。
見透かすような目に怯えて、「なに?」と訊く声が上擦った。
「俺に抱かれたいと思うようになったら、言って」
私は「ええっ!」と目を見張った。
「そんなこと、言えない。言えるわけがない」
私の返事が不満らしく、熊野は顔をしかめた。
「確かに言いにくいか。んー、そうだな……何か合図でも」
「合図?」
「そう。抱かれたくなったら、手をあげるとか」
「そんなの、迂闊に手をあげられなくなる」
怖い、怖い。うっかり手をあげたら、抱くぞと言われるってことよね?
危険だ……。
「まあ、それは例えだ。もっと特別感がある方がいいな」
熊野は腕組みをして、考え込む。
私はどんな合図を要求されるのかと、ハラハラしながら待った。