500文字恋愛小説
№1 サンタ
「なー、サンタに手紙書かない?」

「はい?」

もう二十五になる彼の口からそんなことが出て目をぱちくり。

「いや、サンタは子供だけだよ?
大人にサンタはプレゼント、くれない」

「ちゃんと大人にプレゼントくれるサンタもいるの。
はい、書いて」

「……えーっと?」

訳がわからないまま、彼に渡された紙に向かう。
というか、なに書くの?
「欲しいプレゼントな。
常識外れな高価なものとかダメだぞ?
そういうのは悪い子が考えることだから、サンタはくれない」

んー、欲しいものね……。
ものじゃないんだけど。
クリスマスは彼と一緒に過ごせたらいいな。
いつも忙しい彼。
今日だって一ヶ月ぶりに会えた。

「じゃあ、これ」

一応、封をして彼に渡す。
……どうせあとから見るんでしょうが。
クリスマス、一緒に過ごせるようにサンタさん、お願いします。
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