500文字恋愛小説
№102 冷たい人
人事異動でやってきた新しい課長は、銀縁眼鏡の冷たそうに見える人でした。
「どうしてまだ残ってるんだ?」
「それは……」
残業していたら課長から冷ややかに見下ろされ、身が竦んだ。
要領が悪く、頼まれた仕事を断れないからだが、素直にそうは言えない。
「これ、お前の仕事じゃないだろ」
「えっと……」
曖昧に笑い、誤魔化そうと試みる。
しかし課長は許してくれなかった。
「キャパオーバーの仕事を抱えるな」
これは暗に責められているのかと思ったものの。
「そういうときは僕に相談しろ」
中指でブリッジを押し上げた課長の耳が赤い。
これはもしかして、私を気遣ってくれている……?
「わかりました、そうします」
見た目と違い彼は、とても優しい人だと気づいて嬉しくなった。
「どうしてまだ残ってるんだ?」
「それは……」
残業していたら課長から冷ややかに見下ろされ、身が竦んだ。
要領が悪く、頼まれた仕事を断れないからだが、素直にそうは言えない。
「これ、お前の仕事じゃないだろ」
「えっと……」
曖昧に笑い、誤魔化そうと試みる。
しかし課長は許してくれなかった。
「キャパオーバーの仕事を抱えるな」
これは暗に責められているのかと思ったものの。
「そういうときは僕に相談しろ」
中指でブリッジを押し上げた課長の耳が赤い。
これはもしかして、私を気遣ってくれている……?
「わかりました、そうします」
見た目と違い彼は、とても優しい人だと気づいて嬉しくなった。