500文字恋愛小説
№19 イヤホン
「なに、聴いてるの?」
バス待ちのベンチ。
少し遅い時間だからか、彼はひとり、音楽を聴いてた。
「ん」
「え?」
「聴いていいよ」
「ありがと」
並んで座り、差し出された片方のイヤホンを素直に耳に突っ込む。
聞こえてきたのは硬派な彼には似合わない、ラブソング。
「こんなのも聴くんだ」
「……いま、イメトレ中だから」
「なんの?」
「……」
彼が黙ってしまうから、私も黙って音楽を聴いてた。
小さく口ずさむ彼の声が心地いい。
「……君が好きだから」
男性ボーカルの声と重なって聞こえた、彼の声。
思わず見上げると、真っ赤になってる彼がいた。
返事の代わりに手をぎゅっと握ると、笑顔の彼がぎゅっと私の手を握り返した。
バス待ちのベンチ。
少し遅い時間だからか、彼はひとり、音楽を聴いてた。
「ん」
「え?」
「聴いていいよ」
「ありがと」
並んで座り、差し出された片方のイヤホンを素直に耳に突っ込む。
聞こえてきたのは硬派な彼には似合わない、ラブソング。
「こんなのも聴くんだ」
「……いま、イメトレ中だから」
「なんの?」
「……」
彼が黙ってしまうから、私も黙って音楽を聴いてた。
小さく口ずさむ彼の声が心地いい。
「……君が好きだから」
男性ボーカルの声と重なって聞こえた、彼の声。
思わず見上げると、真っ赤になってる彼がいた。
返事の代わりに手をぎゅっと握ると、笑顔の彼がぎゅっと私の手を握り返した。