500文字恋愛小説
№52 ニーハイ
「なあ。
これ履いて」

「はい?」

彼から渡された袋の中身に困惑した。
だってそれはニーハイで。
私は一度も履いたことがない。

「いや、
これにあう服もってないっていうか……」

「じゃあ買いに行こう。
買ってやる」

「えっ、あっ、うっ」

お洋服買ってくださるのは嬉しいですが。
ニーハイ似合う服ってミニ、ですよね……? 

「ほら、どうした?
いくぞ」

「……どうしてニーハイナンデスカ?」

「……絶対領域とか男の浪漫だろ。
思う存分愛でたいのに、おまえ履かないし」

……それって照れながら言うことですか? 

「いや、ミニとか自信がないっていうか」

「はぁ?
あんだけ綺麗な足してて、隠すほうがもったいないだろ」

彼の言葉に嬉しくなってる自分がいる。
ちょっと恥ずかしいけど、願いを叶えてあげようかな。
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