500文字恋愛小説
№61 You're mean.
「All right?」

「わかりません。日本語で話してください」

「That's no good」
 
意地悪く、先生が笑う。
リムレスの眼鏡と相まって、根性悪そう。

……現在。
英語の補修中。
先生は一言も日本語を話してくれない。

「ほんとに意地悪ですね」

「What?」

「だから意地悪……えっと。You're mean?」

「You think so?」

「あ、えっと。You're mean」
 
くくっ、なぜか先生は笑ってる。

あの、私なんか、
おかしなこといいましたかね?

「Certainly Maybe so.Because I do such a thing to a student」

「なに言って……」
 
先生の顔が近づいてきたかと思ったら、
おでこにそっと……唇がふれた。
すました顔して
テキストの続きを読もうとする先生に、
体温が上がっていく。

「What's wrong?」

「ほんとにYou're mean、です」


※先生の訳
「わかった?」
「ダメだよ」
「なに?」
「君はそう思う?」
「そうかもしれないね。
だって生徒に
こんなことしちゃうくらいだから。」
「どうかした?」
You're mean.は「意地悪ですね」
< 61 / 103 >

この作品をシェア

pagetop