500文字恋愛小説
№62 風邪
「いいから寝てて」
会社帰り。
デートの予定だったけど、様子のおかしな彼のおでこにふれてみたら熱が出てた。
大丈夫という彼を家まで送り、ベッドに押し込む。
「別にたいしたこと……」
「ある。
……三十八度五分。
まだ上がると思うよ?
大人しく寝てて」
「……はい」
額に冷却シートを貼ってやり、椅子を持ってきて彼の枕元に座る。
しばらくして彼は寝息を立て始めたが、やはり熱が上がってきたらしく、酷く苦しそう。
額に浮く汗を拭ってあげてたら、彼が私の手を掴んだ。
「傍に、いて」
「うん?
いるよ。
心配しなくても」
嬉しそうに笑ったかと思ったら、彼はまた眠ってた。
……というか。
眼鏡無しの顔で笑うと、あんなに子供っぽいんだ。
変なことに気付いてしまい、私の方が熱が出たんじゃないかというくらい
顔が熱い。
彼は私の手を握って、倖せそうな顔で眠ってた。
会社帰り。
デートの予定だったけど、様子のおかしな彼のおでこにふれてみたら熱が出てた。
大丈夫という彼を家まで送り、ベッドに押し込む。
「別にたいしたこと……」
「ある。
……三十八度五分。
まだ上がると思うよ?
大人しく寝てて」
「……はい」
額に冷却シートを貼ってやり、椅子を持ってきて彼の枕元に座る。
しばらくして彼は寝息を立て始めたが、やはり熱が上がってきたらしく、酷く苦しそう。
額に浮く汗を拭ってあげてたら、彼が私の手を掴んだ。
「傍に、いて」
「うん?
いるよ。
心配しなくても」
嬉しそうに笑ったかと思ったら、彼はまた眠ってた。
……というか。
眼鏡無しの顔で笑うと、あんなに子供っぽいんだ。
変なことに気付いてしまい、私の方が熱が出たんじゃないかというくらい
顔が熱い。
彼は私の手を握って、倖せそうな顔で眠ってた。