500文字恋愛小説
№69 ご褒美
「ああもーっ!!
終わらないっ!!!」
午後九時をまわった会社。
残ってるのは私と課長のふたりだけ。
「ほらほら。
もうちょっとだから、頑張ろう?」
「……はい」
課長の、眼鏡の奥の目がにっこり笑う。
あの顔につい癒やされてしまう私も、大概だと思う。
伝票のチェックしながら、課長をちらり。
課長は自分の仕事なんて終わってるのに、私が終わるのを待ってくれてる。
大事な女を遅くにひとりになんてできないでしょ、って。
「おわっ、たー」
「お疲れ」
時計の針が十一時を過ぎた頃、やっと終わった仕事に安堵のため息。
「毎月大変だね、締め日は」
「そう思ってるんだったら。
頑張ってる部下にご褒美ください」
「ご褒美、ね」
重なった唇に疲れが吹っ飛んだ私はやっぱり、大概だ。
終わらないっ!!!」
午後九時をまわった会社。
残ってるのは私と課長のふたりだけ。
「ほらほら。
もうちょっとだから、頑張ろう?」
「……はい」
課長の、眼鏡の奥の目がにっこり笑う。
あの顔につい癒やされてしまう私も、大概だと思う。
伝票のチェックしながら、課長をちらり。
課長は自分の仕事なんて終わってるのに、私が終わるのを待ってくれてる。
大事な女を遅くにひとりになんてできないでしょ、って。
「おわっ、たー」
「お疲れ」
時計の針が十一時を過ぎた頃、やっと終わった仕事に安堵のため息。
「毎月大変だね、締め日は」
「そう思ってるんだったら。
頑張ってる部下にご褒美ください」
「ご褒美、ね」
重なった唇に疲れが吹っ飛んだ私はやっぱり、大概だ。