500文字恋愛小説
№81 転勤
春の辞令発表。
私は変わりなし……だったんだけど。
彼が栄転、します。
「えっと。おめでとう」
「嬉しいけど嬉しくねー!」
……ええ。
確かにそうでしょうね。
同期で一番に課長になれたとはいえ、地方に移動ですからね。
「まあまあ。
きっと向こうもいいところだよ?
食べ物が美味しいし、気候もいいって」
「そうじゃねーだろ!!」
「えっと?」
「おまえと離れるんだぞ?
なんかねーのかよ」
「ああ、……うん」
せっかく考えないようにしてたのに。
そこ、指摘してくるんだ。
「一緒に来いとかは言わない。
おまえにはおまえの都合があるだろうし」
「……莫迦」
「え?」
「格好つけないで、一緒に来いって言ってよ。
それともそれだと、なにか不都合あるの?」
「ばーか。
あるかよ」
私は変わりなし……だったんだけど。
彼が栄転、します。
「えっと。おめでとう」
「嬉しいけど嬉しくねー!」
……ええ。
確かにそうでしょうね。
同期で一番に課長になれたとはいえ、地方に移動ですからね。
「まあまあ。
きっと向こうもいいところだよ?
食べ物が美味しいし、気候もいいって」
「そうじゃねーだろ!!」
「えっと?」
「おまえと離れるんだぞ?
なんかねーのかよ」
「ああ、……うん」
せっかく考えないようにしてたのに。
そこ、指摘してくるんだ。
「一緒に来いとかは言わない。
おまえにはおまえの都合があるだろうし」
「……莫迦」
「え?」
「格好つけないで、一緒に来いって言ってよ。
それともそれだと、なにか不都合あるの?」
「ばーか。
あるかよ」