500文字恋愛小説
№9 大掃除
「奥さん、手が止まっていますが?」
「えっ、いや、そんなことないょう?」
慌てて手にしていたまんが本を閉じたが、裏返った声ではバレバレだ。
「ほら、早く済ませて映画観に行くんじゃなかったの?」
私の周りには仕分けの済んでいない本がまだまだ広がっていた。
「……ほんとに処分しなきゃ、ダメ?」
このまんがもあのまんがも思い出深くて捨てたくない。
「だって収納スペース足りなくなったんだから仕方ないでしょ?」
それは、彼の言うとおりなのだけれど。
「いっそ、家でも建てますか、奥さん?」
「ほんとに!?」
家かー、妄想捗っちゃうかも。
「家族が増えると、この部屋じゃ狭いですからね」
彼が膨らみはじめた私のお腹へ、愛おしそうに視線を向ける。
子供のためにもパパには頑張ってもらわなきゃ。
「えっ、いや、そんなことないょう?」
慌てて手にしていたまんが本を閉じたが、裏返った声ではバレバレだ。
「ほら、早く済ませて映画観に行くんじゃなかったの?」
私の周りには仕分けの済んでいない本がまだまだ広がっていた。
「……ほんとに処分しなきゃ、ダメ?」
このまんがもあのまんがも思い出深くて捨てたくない。
「だって収納スペース足りなくなったんだから仕方ないでしょ?」
それは、彼の言うとおりなのだけれど。
「いっそ、家でも建てますか、奥さん?」
「ほんとに!?」
家かー、妄想捗っちゃうかも。
「家族が増えると、この部屋じゃ狭いですからね」
彼が膨らみはじめた私のお腹へ、愛おしそうに視線を向ける。
子供のためにもパパには頑張ってもらわなきゃ。