500文字恋愛小説
№91 雨
今日は朝から雨降り。
髪はまとまらないし、傘差しても学校着くまでに濡れるから嫌い。

「雨降ってるから学校行きたくない……」

「なに言ってんの、さっさと学校行きなさい」
 
容赦ないお母さんの言葉に嫌々靴を履いて家を出る。
外は土砂降り雨。

……行きたくない、行きたくない。

しかし、呪っていても仕方ない。
傘を差したって足はびしょびしょ。

ううっ、気持ち悪い。

駅に着いて改札をくぐり、ホームで電車を待ってたら後ろから肩をつつかれた。

「よっ。おはよ」

「おはよ」
 
振り返ると、いつもは自転車通学の彼。

「どうしたの?」

「雨、酷いだろ?
今日は電車にした」

「そう、なんだ」

「おお」
 
ホームに電車が滑り込んできて、彼と一緒に乗り込む。
雨なんて最悪、そう思ってたはずなのに、一瞬にして雨、最高!って感謝してた。
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