500文字恋愛小説
№97 人事異動
春の人事異動。
赴任してきた課長は私の顔を見ると何故か「ふふっ」と意味深そうに笑った。
……えっと。
どなたでしょうか?
私は見覚えがないんだけど。
歓迎会、気が付いたら課長が隣に座ってた。
妙に馴れ馴れしく、私の世話を焼いてくる。
「あ、刺身は白身以外、ダメだよね」
「筍、ダメだっけ?
蕁麻疹出るんだよね」
「……なんで知ってるんですか?」
「んー?
というか、反対になんで覚えてないの?」
「は?」
レンズ越しに笑いかけられて……ん?
「お兄ちゃん、だーいすき」
「えっと?」
「大きくなったら、
お兄ちゃんのお嫁さんになるー」
「あ、あ、ああーっ!!」
にっこりと笑う顔に、思い出す。
……昔、隣の家に住んでたお兄ちゃん。
「で?俺のお嫁さんになってくれるの?」
意地悪く笑う課長に、黙るしかなかった。
赴任してきた課長は私の顔を見ると何故か「ふふっ」と意味深そうに笑った。
……えっと。
どなたでしょうか?
私は見覚えがないんだけど。
歓迎会、気が付いたら課長が隣に座ってた。
妙に馴れ馴れしく、私の世話を焼いてくる。
「あ、刺身は白身以外、ダメだよね」
「筍、ダメだっけ?
蕁麻疹出るんだよね」
「……なんで知ってるんですか?」
「んー?
というか、反対になんで覚えてないの?」
「は?」
レンズ越しに笑いかけられて……ん?
「お兄ちゃん、だーいすき」
「えっと?」
「大きくなったら、
お兄ちゃんのお嫁さんになるー」
「あ、あ、ああーっ!!」
にっこりと笑う顔に、思い出す。
……昔、隣の家に住んでたお兄ちゃん。
「で?俺のお嫁さんになってくれるの?」
意地悪く笑う課長に、黙るしかなかった。