500文字恋愛小説
№98 会いに行くから
「向こう着いたら連絡する」
駅のホーム、俯いた顔は上げられない。
「毎日、メッセ送るし、そんなに落ち込むことないだろ。
俺だって嫌なんだし」
彼のため息が頭上に落ちてきて、びくりと身体が震えた。
会社の命令だから仕方ないのはわかっている。
ただ私は――こんな泣きはらした顔を彼に見られ、心配させるのが嫌なのだ。
「じゃあ、行くな」
アナウンスが電車の到着を告げる。
このままでは彼は、誤解したまま行ってしまう。
「会いに行くから」
真っ直ぐに彼の顔を見て言う。
今日初めて、彼と目が合った。
眼鏡の奥の目は真っ赤になっている。
ああ、そうか。
強がっていても彼も同じだったんだ。
「俺も会いに来る」
彼は笑顔で、電車に乗っていった。
駅のホーム、俯いた顔は上げられない。
「毎日、メッセ送るし、そんなに落ち込むことないだろ。
俺だって嫌なんだし」
彼のため息が頭上に落ちてきて、びくりと身体が震えた。
会社の命令だから仕方ないのはわかっている。
ただ私は――こんな泣きはらした顔を彼に見られ、心配させるのが嫌なのだ。
「じゃあ、行くな」
アナウンスが電車の到着を告げる。
このままでは彼は、誤解したまま行ってしまう。
「会いに行くから」
真っ直ぐに彼の顔を見て言う。
今日初めて、彼と目が合った。
眼鏡の奥の目は真っ赤になっている。
ああ、そうか。
強がっていても彼も同じだったんだ。
「俺も会いに来る」
彼は笑顔で、電車に乗っていった。