8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
『父上。何度言われても俺の正妃はフィオナです。彼女になんの問題があるというのです。孤児対策に、商業促進。国の繁栄にも寄与し、なおかつ世継ぎの男児も生んでいる。正妃として必要な働きはすべてしてくれているではありませんか』
『それは私も理解している。だから、彼女が正妃のままでいてもいい。だが、王国には前帝国の血筋の王子が必要なのだ』
どこまでも主張を変えない王に、キレたのはオスニエルだ。
『もう結構です。そんなに血の継承が大事ならば、俺のほうをあきらめてください。オリバーは俺の大事な息子です。あの子に帝王学を教え、いずれともにこの国を支えていくつもりでしたが、父上がそこまでおっしゃるなら、俺は世継ぎとならずともかまいません!』
『なっ、お前、自分が継承放棄する気か?』
『さすがに謀反は起こしたくはないですからね。国の平和のために、それが必要だというなら、一公爵になって弟を支えましょう。ライリーも血統こそ劣れど、帝国の血筋ではあるでしょう』
ライリーは十九歳になる第二夫人の息子で、第二夫人はボーン帝国解体の際に分裂した国の姫なので、一応帝国筋にはなる。しかし、ライリー本人は凡庸とした男で、とくに大きな野心があるわけでもない。第二王子という立場で、可もなく不可もなく淡々と生活している。
オスニエルの兄弟はライリー以外にもうひとり王子とふたりの王女がいるが、残る三人は侵略国からの人質の側妃の子のため、王族とはいえ立場は弱い。だから国王は、王位継承者としてはオスニエル以外を考えてはいないはずだ。
(オスニエル様ってば……)
はっきり言い放ったオスニエルに、フィオナは胸が温かくなる。
フィオナも、一度はその提案を受けてもらって、ジャネットの反応を見ることを考えたが、オスニエルには全くその気がないようだ。
(自分を曲げるのが本当にお嫌いね)
『それは私も理解している。だから、彼女が正妃のままでいてもいい。だが、王国には前帝国の血筋の王子が必要なのだ』
どこまでも主張を変えない王に、キレたのはオスニエルだ。
『もう結構です。そんなに血の継承が大事ならば、俺のほうをあきらめてください。オリバーは俺の大事な息子です。あの子に帝王学を教え、いずれともにこの国を支えていくつもりでしたが、父上がそこまでおっしゃるなら、俺は世継ぎとならずともかまいません!』
『なっ、お前、自分が継承放棄する気か?』
『さすがに謀反は起こしたくはないですからね。国の平和のために、それが必要だというなら、一公爵になって弟を支えましょう。ライリーも血統こそ劣れど、帝国の血筋ではあるでしょう』
ライリーは十九歳になる第二夫人の息子で、第二夫人はボーン帝国解体の際に分裂した国の姫なので、一応帝国筋にはなる。しかし、ライリー本人は凡庸とした男で、とくに大きな野心があるわけでもない。第二王子という立場で、可もなく不可もなく淡々と生活している。
オスニエルの兄弟はライリー以外にもうひとり王子とふたりの王女がいるが、残る三人は侵略国からの人質の側妃の子のため、王族とはいえ立場は弱い。だから国王は、王位継承者としてはオスニエル以外を考えてはいないはずだ。
(オスニエル様ってば……)
はっきり言い放ったオスニエルに、フィオナは胸が温かくなる。
フィオナも、一度はその提案を受けてもらって、ジャネットの反応を見ることを考えたが、オスニエルには全くその気がないようだ。
(自分を曲げるのが本当にお嫌いね)