8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
  *  *  *

 一方、ローランドとオスニエルは長い廊下を競うように走っていた。

「お前、どこに行く気だ」
「フィオナ様をお守りするのです」
「お前が護衛するのはエリオットだろう?」

 言われて思い出したかのように、ローランドははっとして立ち止まる。
 どうしてエリオットのことをすっかり忘れていたのか。護衛騎士として、他国にまで一緒にきたというのに。

「……俺は」
「落ち着け、フィオナは大丈夫だ。なにか起こっても、すぐにやられるような女じゃない」
「どうしてそんなことが言えるのですか!」

 ローランドの頭に、不敬の文字がよぎる。しかし妙に興奮していて、思うように冷静になれない。

「俺は、フィオナ様を幼い時からお守りしていたのです。あの方は守られるべき方だ。恐ろしいものはすべて俺が取り払って差し上げなければ」
「フィオナはそこまで弱くはない!」

 オスニエルの断言に、ローランドは眉を寄せる。

「俺だってフィオナのことは自分の命を懸けてでも守るつもりだ。ただ、それはあいつの行動を制限させるものではないと思っている。どんな状況に陥ったって、怯えるだけではなく改善策を探せるような女だろう」
「それは……」

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