8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
* * *
翌日、ジャネットはオスニエルの執務室へと呼び出された。
そこにいたのはオスニエルと側近のロジャーだ。
ジャネットは深々と腰を折り、まずはオスニエルに謝罪をした。
「この度は、皆様にご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした」
「こちらも謝ることがある。十年前の破談の件に関しては、一方的にすまなかった」
「いいえ。それはもうかまいません」
「それと、ユーインのことも。すまなかった」
「いいえ。貴方が指示したわけではないことはわかっているのです」
冷静になれば、ユーインが勝手にオスニエルに対抗心を抱いていたこともわかる。
だが逆恨みしなければ耐えられないほど、ジャネットもつらかったのだ。
「ロジャーに調べさせていた結果が出た。君の持ち込んだ香水には、神経を高ぶらせ、怒りといった負の感情を増幅させる効果がある。原料の一部に、この花を使用しているだろう」
紫色の漏斗状の花だ。ジャネットは驚いてオスニエルの顔を見つめる。
「ルーデンブルグの湖の近くで発見したものだ。周囲の動物が花の咲く季節になると興奮状態になるらしい。おそらくだが、この花の成分が、憤懣効果を招いているのだと思う」
ジャネットは静かに頷いた。まさか、使用した植物まで特定されているとは思わなかった。
「この成分については、国王や宰相にも説明してある。君の持ち込んだ香水はすべて回収させてもらう。あまりにも、危険だからな」
「はい。申し訳ありませんでした。どんな罰でも受けます」
ジャネットは頭を下げたまま、下される沙汰を待った。
翌日、ジャネットはオスニエルの執務室へと呼び出された。
そこにいたのはオスニエルと側近のロジャーだ。
ジャネットは深々と腰を折り、まずはオスニエルに謝罪をした。
「この度は、皆様にご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした」
「こちらも謝ることがある。十年前の破談の件に関しては、一方的にすまなかった」
「いいえ。それはもうかまいません」
「それと、ユーインのことも。すまなかった」
「いいえ。貴方が指示したわけではないことはわかっているのです」
冷静になれば、ユーインが勝手にオスニエルに対抗心を抱いていたこともわかる。
だが逆恨みしなければ耐えられないほど、ジャネットもつらかったのだ。
「ロジャーに調べさせていた結果が出た。君の持ち込んだ香水には、神経を高ぶらせ、怒りといった負の感情を増幅させる効果がある。原料の一部に、この花を使用しているだろう」
紫色の漏斗状の花だ。ジャネットは驚いてオスニエルの顔を見つめる。
「ルーデンブルグの湖の近くで発見したものだ。周囲の動物が花の咲く季節になると興奮状態になるらしい。おそらくだが、この花の成分が、憤懣効果を招いているのだと思う」
ジャネットは静かに頷いた。まさか、使用した植物まで特定されているとは思わなかった。
「この成分については、国王や宰相にも説明してある。君の持ち込んだ香水はすべて回収させてもらう。あまりにも、危険だからな」
「はい。申し訳ありませんでした。どんな罰でも受けます」
ジャネットは頭を下げたまま、下される沙汰を待った。