8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
* * *
その後、ジャネットとオスニエルの縁談の話は立ち消えとなった。
国王はまだ不満そうなそぶりはあるが、仕方なく納得したらしい。
ジャネットの香水は、『皮膚に悪影響が出る可能性がある』という名目で回収された。表ざたにしない代わりに、今後ジャネットとは商品の共同開発を行うことにしている。フィオナとしては、孤児院事業の繁栄のため、これからはジャネットにも協力してもらう予定だ。
「では、ジャネット様はしばらくこちらにご滞在はされるのですね」
ロジャーはそう言いながら、少しうれしそうにしている。
(まさかロジャー様……。いやたしかに今は独身だけど、死んでいるとはいえユーイン様は強敵だわ。前途は多難じゃないかしら)
独身を嘆く割には、好きになる相手が悪いのではないだろうか。フィオナはロジャーに同情の気持ちが湧いてきていた。
エリオットとローランドは大学寮に入り、楽しく過ごしているようだ。時折エリオットからの手紙を、ホワイティが運んできてくれる。
あれから、ローランドは元通りになり、誠実に護衛任務をこなしているらしい。
彼の留学期間は一年。まだしばらくは、頻繁に会うこともできるだろう。
* * *
想像からひと月が過ぎ、香水回収も完全に終え、日々が落ち着きを取り戻し始めた頃だ。
「例えば、眠りを引き寄せる効果の香りとか、できないかしら」
ジャネットとのお茶会の場面である。
「眠りですか?」
「ええ。不眠の人って結構いませんか? 子供たちも、すごく寝つきの悪いときとかあるでしょう」
「ラベンダーとかがよく眠れるとは言いますけれど」
「そういった効果のあるものを配合してみてくれないかしら」
フィオナは、人気が下火になっている紐編みアクセサリーを、香りとの抱き合わせで売ることも考えている。石膏を紐編みで包み、ネックレス状にするのだ。石膏部分に香りをつけると、長らく香りを楽しむことができる。肌の弱い人でも香水が使えるようにするためのものだ。
「ジャネット様の力を、いいほうに役立てていきましょう」
フィオナは、自分がした孤児院事業を、ジャネットにも提案する。
「例えばロイヤルベリー領の孤児院で、花の加工方法を教えるの。一大産業になったときに、作業人が足りないようでは困るでしょう? 公爵家の孤児院支援としてもいいと思う」
「孤児……。そうですね」
「大変だけどやりがいはあるはずです。しばらくは私と一緒にやってみてくれないかしら」
それはやがて、ジャネットの生きがいになり、彼女は多くの子供の母親となったのだが、それはまた別の話だ。
その後、ジャネットとオスニエルの縁談の話は立ち消えとなった。
国王はまだ不満そうなそぶりはあるが、仕方なく納得したらしい。
ジャネットの香水は、『皮膚に悪影響が出る可能性がある』という名目で回収された。表ざたにしない代わりに、今後ジャネットとは商品の共同開発を行うことにしている。フィオナとしては、孤児院事業の繁栄のため、これからはジャネットにも協力してもらう予定だ。
「では、ジャネット様はしばらくこちらにご滞在はされるのですね」
ロジャーはそう言いながら、少しうれしそうにしている。
(まさかロジャー様……。いやたしかに今は独身だけど、死んでいるとはいえユーイン様は強敵だわ。前途は多難じゃないかしら)
独身を嘆く割には、好きになる相手が悪いのではないだろうか。フィオナはロジャーに同情の気持ちが湧いてきていた。
エリオットとローランドは大学寮に入り、楽しく過ごしているようだ。時折エリオットからの手紙を、ホワイティが運んできてくれる。
あれから、ローランドは元通りになり、誠実に護衛任務をこなしているらしい。
彼の留学期間は一年。まだしばらくは、頻繁に会うこともできるだろう。
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想像からひと月が過ぎ、香水回収も完全に終え、日々が落ち着きを取り戻し始めた頃だ。
「例えば、眠りを引き寄せる効果の香りとか、できないかしら」
ジャネットとのお茶会の場面である。
「眠りですか?」
「ええ。不眠の人って結構いませんか? 子供たちも、すごく寝つきの悪いときとかあるでしょう」
「ラベンダーとかがよく眠れるとは言いますけれど」
「そういった効果のあるものを配合してみてくれないかしら」
フィオナは、人気が下火になっている紐編みアクセサリーを、香りとの抱き合わせで売ることも考えている。石膏を紐編みで包み、ネックレス状にするのだ。石膏部分に香りをつけると、長らく香りを楽しむことができる。肌の弱い人でも香水が使えるようにするためのものだ。
「ジャネット様の力を、いいほうに役立てていきましょう」
フィオナは、自分がした孤児院事業を、ジャネットにも提案する。
「例えばロイヤルベリー領の孤児院で、花の加工方法を教えるの。一大産業になったときに、作業人が足りないようでは困るでしょう? 公爵家の孤児院支援としてもいいと思う」
「孤児……。そうですね」
「大変だけどやりがいはあるはずです。しばらくは私と一緒にやってみてくれないかしら」
それはやがて、ジャネットの生きがいになり、彼女は多くの子供の母親となったのだが、それはまた別の話だ。