8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
オスニエルの誕生日は十二月だ。社交期が終わってから、フィオナはしばらく王妃とゆっくり過ごした。
そして、冬が終わり、芽吹きの春を迎える季節に、オスニエルの戴冠式は行われた。
まだ短期留学を終えたエリオットも賓客として参加し、王冠を授かるオスニエルに、穏やかな顔で拍手を送っている。
この慶事に王国では恩赦が出され、トラヴィスも解放されることとなった。
もう二度と、国内には入れないことにはなっているが、生きて幸せになってくれればいいとフィオナは思っている。
子供たちも今日は正装し、堂々と理想を語る父を尊敬のまなざしで見つめていた。
「この国の発展のために、持てるだけの力を使うことを誓おう」
かつて軍神とも呼ばれたオスニエルは、威風堂々とした佇まいで、臣下を、そして家族を見つめる。
彼とともに、この国に尽くすのだと、フィオナも気持ちを新たにした。
【Fin.】