8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
アラスターはにやりとほくそ笑む。これはチャンスだ。
今一度、オスニエルとジャネットの縁談を成立させるのだ。
正妃がいる以上、側妃としてという形にはなるが、ロイヤルベリー公爵家は確かな血筋の持ち主だ。ふたりの間に子が生まれれば、ブライト王国の姫が生んだ子よりも、国王となる資質があるに決まっている。
「公爵。後で内々に話がある」
そう言い、報告の場を終えたアラスターは、別室でロイヤルベリー公爵と話し合った。
「ジャネット嬢は、オスニエルのことをどう思っておられるだろうか」
前のめりでいう国王に、公爵は困ったように笑みを浮かべた。
「オスニエル様はフィオナ妃に夢中でいらっしゃいますよ」
「今はな。きっと物珍しいのだ。だが、それがいつまでも続くと思うか?」
「ジャネットは一度結婚した身ですし」
「だが子はいないだろう。問題はない」
ロイヤルベリー公爵はあまり乗り気ではなさそうだ。
アラスターは不思議に思う。最近の若い者はどうしてこう野心がないのか。妹が王族に嫁ぐなんて、これ以上ない幸運だと思うのに。
「……わかりました。ジャネットにも伝えてみます」
結局、曖昧な返事のまま公爵は自領に戻り、ジャネットへ打診した。
そして戻ってきた返事は、王が望んだ前向きなものだった。
『もしお会いする機会があれば、懐かしく話したいと思っております』
(ジャネットのほうは、オスニエルに未練があったのかもしれないな)
アラスターは微笑んで、幹線道路整備事業にかこつけて、オスニエルにロイヤルベリー公爵家への一ヵ月間の滞在を命じたのである。
ジャネットには、ぜひとも滞在中にオスニエルを虜にするように、と厳命して。
今一度、オスニエルとジャネットの縁談を成立させるのだ。
正妃がいる以上、側妃としてという形にはなるが、ロイヤルベリー公爵家は確かな血筋の持ち主だ。ふたりの間に子が生まれれば、ブライト王国の姫が生んだ子よりも、国王となる資質があるに決まっている。
「公爵。後で内々に話がある」
そう言い、報告の場を終えたアラスターは、別室でロイヤルベリー公爵と話し合った。
「ジャネット嬢は、オスニエルのことをどう思っておられるだろうか」
前のめりでいう国王に、公爵は困ったように笑みを浮かべた。
「オスニエル様はフィオナ妃に夢中でいらっしゃいますよ」
「今はな。きっと物珍しいのだ。だが、それがいつまでも続くと思うか?」
「ジャネットは一度結婚した身ですし」
「だが子はいないだろう。問題はない」
ロイヤルベリー公爵はあまり乗り気ではなさそうだ。
アラスターは不思議に思う。最近の若い者はどうしてこう野心がないのか。妹が王族に嫁ぐなんて、これ以上ない幸運だと思うのに。
「……わかりました。ジャネットにも伝えてみます」
結局、曖昧な返事のまま公爵は自領に戻り、ジャネットへ打診した。
そして戻ってきた返事は、王が望んだ前向きなものだった。
『もしお会いする機会があれば、懐かしく話したいと思っております』
(ジャネットのほうは、オスニエルに未練があったのかもしれないな)
アラスターは微笑んで、幹線道路整備事業にかこつけて、オスニエルにロイヤルベリー公爵家への一ヵ月間の滞在を命じたのである。
ジャネットには、ぜひとも滞在中にオスニエルを虜にするように、と厳命して。