8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
「久しいな」
「お会いできて光栄ですわ」
「夫君のこと、お悔やみ申し上げる。知らなかったとはいえ、失礼をしてしまったな」
「ご存知なかったんですか?」
ジャネットは、驚いたように口もとに手をあてると、目を伏せる。
「もう五年になります。東方諸国への侵略戦争中でのことですわ。……私、オスニエル様が貿易中心の政治へ国策を変更してくださったこと、とてもよかったと思っておりますの。私のような寡婦が少しでも減るのならば、幸いですもの」
他国への侵略戦争は、最終的に決定したのは国王だが、実際に兵を率いたのはオスニエルだ。その頃は、戦勝が続き悦に入っていたのも事実なので、少しばかりバツが悪く、オスニエルは彼女との会話を早々に切り上げた。
「悪いが部屋に案内してくれるか。長旅で少し疲れてしまった」
「ええ。荷物も運び入れましょう。事業の話については明日からまたゆっくりと」
ダレンが使用人を呼びつけ、部屋へと案内してくれる。
だが、場所が変わっても花のにおいがいつまでも離れず、オスニエルは落ち着かない気分を抱えたまま眠りについた。
「お会いできて光栄ですわ」
「夫君のこと、お悔やみ申し上げる。知らなかったとはいえ、失礼をしてしまったな」
「ご存知なかったんですか?」
ジャネットは、驚いたように口もとに手をあてると、目を伏せる。
「もう五年になります。東方諸国への侵略戦争中でのことですわ。……私、オスニエル様が貿易中心の政治へ国策を変更してくださったこと、とてもよかったと思っておりますの。私のような寡婦が少しでも減るのならば、幸いですもの」
他国への侵略戦争は、最終的に決定したのは国王だが、実際に兵を率いたのはオスニエルだ。その頃は、戦勝が続き悦に入っていたのも事実なので、少しばかりバツが悪く、オスニエルは彼女との会話を早々に切り上げた。
「悪いが部屋に案内してくれるか。長旅で少し疲れてしまった」
「ええ。荷物も運び入れましょう。事業の話については明日からまたゆっくりと」
ダレンが使用人を呼びつけ、部屋へと案内してくれる。
だが、場所が変わっても花のにおいがいつまでも離れず、オスニエルは落ち着かない気分を抱えたまま眠りについた。