8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
雨降って地固まる夫婦喧嘩
ロイヤルベリー公爵家では、二転三転した幹線道路にかかわる取り決めが大詰めを迎えていた。
「では、この道路への通行料は、公爵家に七,王家に三という割り振りでよろしいですか?」
ロジャーが、オスニエルとロイヤルベリー公爵双方に、確認する。
幹線道路を作る際に出資した割合と土地の使用料分を計算して、通行料を分配する。この取り決めが整えば、オスニエルの最も優先すべき仕事は終わりだ。
「では調印いたしましょう」
ロイヤルベリー公爵の印をもらい、握手を交わして仕事を終える。結局、最初に王都を出てから二ヵ月も経っていた。
「これでもう問題はないな? 俺はそろそろ王都に戻るぞ」
「もう一晩くらいよろしいでしょう。実はこちらの方からお願いもありまして」
すぐさま立ち上がろうとするオスニエルを止めたのは、ロイヤルベリー公爵だ。
「願いとは?」
「ジャネットが作っている香水について、相談に乗っていただきたいのです。結婚して以降、あの子は製品づくりには強い熱意をもって取り組んできたのですが、いざ売るとなると、どのように宣伝していくのが効果的なのか、わからないのですよ。ほら、私たちには商売をするためのノウハウというものがないでしょう」
「俺もないぞ? なぜそれを俺に聞く?」
「フィオナ妃は、ご商売がお上手でしょう? オスニエル様のご助言もあってのことではないのですか?」
オスニエルは首を振る。王国の生粋の貴族に、商売のノウハウなどわかるはずがない。自分が気に入ったものを好きなだけ買い上げるのだ。上流貴族が好むものが、自然と流行になり下級貴族の間でも流行りだす。
(そういえば、フィオナの花飾りはなんであんなにはやったんだったか)
最初は、結婚式のドレスだった。売り言葉に買い言葉で、ドレスを文句が言えないくらい豪華にしてやろうと仕立て屋を送った。そうしたら、あの花飾りがふんだんにつけられたのだ。
純白のドレスに、色鮮やかな花飾りはとても映えた。まだ若いフィオナには少し大人っぽかったドレスが、花飾りをつけたことにより、彼女らしいかわいらしさが加わった。
それが、おそらく口コミで広がったのだろうが。
「では、この道路への通行料は、公爵家に七,王家に三という割り振りでよろしいですか?」
ロジャーが、オスニエルとロイヤルベリー公爵双方に、確認する。
幹線道路を作る際に出資した割合と土地の使用料分を計算して、通行料を分配する。この取り決めが整えば、オスニエルの最も優先すべき仕事は終わりだ。
「では調印いたしましょう」
ロイヤルベリー公爵の印をもらい、握手を交わして仕事を終える。結局、最初に王都を出てから二ヵ月も経っていた。
「これでもう問題はないな? 俺はそろそろ王都に戻るぞ」
「もう一晩くらいよろしいでしょう。実はこちらの方からお願いもありまして」
すぐさま立ち上がろうとするオスニエルを止めたのは、ロイヤルベリー公爵だ。
「願いとは?」
「ジャネットが作っている香水について、相談に乗っていただきたいのです。結婚して以降、あの子は製品づくりには強い熱意をもって取り組んできたのですが、いざ売るとなると、どのように宣伝していくのが効果的なのか、わからないのですよ。ほら、私たちには商売をするためのノウハウというものがないでしょう」
「俺もないぞ? なぜそれを俺に聞く?」
「フィオナ妃は、ご商売がお上手でしょう? オスニエル様のご助言もあってのことではないのですか?」
オスニエルは首を振る。王国の生粋の貴族に、商売のノウハウなどわかるはずがない。自分が気に入ったものを好きなだけ買い上げるのだ。上流貴族が好むものが、自然と流行になり下級貴族の間でも流行りだす。
(そういえば、フィオナの花飾りはなんであんなにはやったんだったか)
最初は、結婚式のドレスだった。売り言葉に買い言葉で、ドレスを文句が言えないくらい豪華にしてやろうと仕立て屋を送った。そうしたら、あの花飾りがふんだんにつけられたのだ。
純白のドレスに、色鮮やかな花飾りはとても映えた。まだ若いフィオナには少し大人っぽかったドレスが、花飾りをつけたことにより、彼女らしいかわいらしさが加わった。
それが、おそらく口コミで広がったのだろうが。