8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
駆け出したオリバーは、フィオナに抱き着くとうれしそうに見上げてくる。抱き上げると、ずしりと重い。我が子の成長がうれしく、フィオナは頬を緩める。
「た!」
あどけなく笑うオリバーはかわいらしい。
(オスニエル様もこんな感じだったのかしら)
夫の過去を想像していると、ポリーに抱かれたアイラが、悔しそうに手を伸ばす。
「アイラも! 抱っこ!」
「アイラお嬢様。フィオナ様のお手は二本しかありません。抱っこはひとりが限界ですから、順番ですよ」
ポリーに宥められるも、アイラは不満そうだ。「いや、アイラも抱っこ」と繰り返して暴れるので、フィオナはオリバーをシンディに預け、今度はアイラを抱きしめる。
ギュッと力を込めると、「えへ」とアイラは満面の笑みになった。
「かーたま、大好き」
おしゃべり上手なアイラだが、動くのは苦手で、抱っこされていることが多い。
「……と!」
シンディに抱かれておとなしくしていたはずのオリバーが、急に暴れ出した。
「どうされました。オリバーお坊ちゃま」
「離してあげて。シンディ。なにか見つけたのよ」
フィオナに言われ、シンディはオリバーを芝生に下ろす。オリバーは勘がよく、人や物の気配を察知するのが早いのだ。
「と、たま!」
オリバーの行く先に視線をやると、オスニエルがロジャーを伴って角を曲がってくるのが見えた。
オリバーに気づいたオスニエルは、目尻を緩め、しゃがんで我が子を待ちかまえる。オリバーがたどり着くと、オスニエルは勢いよく息子を抱き上げた。
「オリバー。どうした? 母様をアイラにとられたか」
逞しい体躯の彼は、オリバーを片腕に乗せても余裕そうだ。
オスニエルが中庭に入ってくると、侍女たちは若干緊張したように居住まいを正す。
「た!」
あどけなく笑うオリバーはかわいらしい。
(オスニエル様もこんな感じだったのかしら)
夫の過去を想像していると、ポリーに抱かれたアイラが、悔しそうに手を伸ばす。
「アイラも! 抱っこ!」
「アイラお嬢様。フィオナ様のお手は二本しかありません。抱っこはひとりが限界ですから、順番ですよ」
ポリーに宥められるも、アイラは不満そうだ。「いや、アイラも抱っこ」と繰り返して暴れるので、フィオナはオリバーをシンディに預け、今度はアイラを抱きしめる。
ギュッと力を込めると、「えへ」とアイラは満面の笑みになった。
「かーたま、大好き」
おしゃべり上手なアイラだが、動くのは苦手で、抱っこされていることが多い。
「……と!」
シンディに抱かれておとなしくしていたはずのオリバーが、急に暴れ出した。
「どうされました。オリバーお坊ちゃま」
「離してあげて。シンディ。なにか見つけたのよ」
フィオナに言われ、シンディはオリバーを芝生に下ろす。オリバーは勘がよく、人や物の気配を察知するのが早いのだ。
「と、たま!」
オリバーの行く先に視線をやると、オスニエルがロジャーを伴って角を曲がってくるのが見えた。
オリバーに気づいたオスニエルは、目尻を緩め、しゃがんで我が子を待ちかまえる。オリバーがたどり着くと、オスニエルは勢いよく息子を抱き上げた。
「オリバー。どうした? 母様をアイラにとられたか」
逞しい体躯の彼は、オリバーを片腕に乗せても余裕そうだ。
オスニエルが中庭に入ってくると、侍女たちは若干緊張したように居住まいを正す。